視界は詩界。

□complex of paradox
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フードを深く被り、イヤホンで音を聴き、マフラーで口を塞ぐ。
寒がりだから?
そんな言い訳、言いたくない。


どうして、何もかもが煩わしくなった?
自信の無さが作った性格。
灰色の空と同調する過去。


感傷中の脳内、チャンネルを変えて。


傷ついた体を着飾り、晒す。
毒のある生き物のよう、警告色。
恥ずかしい真似だけど、コンプレックスが何かを変えるなら……。


下から前を見たら、くぐもっていたはずの声が響くだろう。
足と喉の震えを隠しながら、叫び続けろ。
きっと聴こえるはずだ。
だから、自分を消さないで。
無闇に泣かないで。
共鳴者は、何処かにいるはずだから。


前から上を見たら、雲っていたはずの空が蒼いだろう。
やけに明るい、その色に冷たさを感じて、逃げる時もある。
だけど、独りにならないで。
独りもいいけれど。
共鳴者は、何処かにいるはずだから。


それぞれの、違う孤独で手を繋ごう。

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