視界は詩界。

□A
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崩壊の音が響く頭の中。
脆く落ちる地面を蹴り、空を翔た。
喪失の記憶が苦痛を呼ぶ。
偽った時間を無視して、自由を掴め。


カラっぽだった世界に寒気を感じたのは、恐怖か感動か?
見つめた画像は何度目かの虚像。
それが美しい訳ないだろ?


鮮やかな空での飛行さえ嘘?
矮小過ぎる虫の羽だったとでも?


果ての無い自由の為に選んだのは、翼か薄羽か?
落ちる映像は何度目かの実像。
これが最後な訳ないだろ?


今、強く空を舞え。
光に誘われる蜉蝣でもいい。
闇に溺れ眠る、あの泥濘よりは。


少女(A)lice。
何者でもない、その冷たい瞳へ迷い込んだ。


束縛から逃れた先に立ちはだかるは、孤独か群集か?
暮れる想像は何度目かの現像。
こんな結果な訳ないだろ?


白と黒に揺れる。
求め過ぎるなんて、儚い命にはないだろう。
欲に汚れながら、ただ純粋に渇望する。
白と黒に揺れる。


今、強く空を舞え。
光に誘われる蜉蝣でもいい。
闇に溺れ眠る、あの泥濘よりは。


今、強く声を出せ。
この醜い静寂よりはいい。
誰も彼もが口を閉ざす世界よりは。


少女(A)liceは言う。
物語の外で想いを言う。
誰も彼もが口を閉ざす世界よりは、とても楽しめる事だろ?

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