視界は詩界。

□空中底辺都思
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空に伸びる街並み。
涼しい影の中、太陽を無くした地面。
風を手に入れた人々。
やがて脆く崩れ、飛行するアレコレ。
彼方に消えるは都市、思想?


夜が欠伸を浮かべ、露になる星。
覚めない朝への手向け?
それでも十二に縛られ、轍と化す夢は粒子となる。
真っ赤な黒猫がワルツを踊る。


瓶の中の沈黙。
ケセラセラ。
ケセランパセラン。
幸、不幸を両手に祈る。
そして反射、ショーウィンドウ。
出口の無い世界。
浸透する血。


見上げる必要なんてあるの?
天空にいるのは都市で、無機質だと言うのに。
踞ってご覧よ、こんなにも命で溢れている。
何を頑張って、前や上を見ている。
胸を張って地面を這おう。


深緑とタイプライター。
安らかな眠り。
愛に抱かれ生きていこう。

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