私的に詩的。

□幻春
1ページ/1ページ

ぼやけていく風景。
水性なのか?
三月が終わりの日。
静惨な幻視。


変わらない事。
変わる事。


桜の下に死体など埋まってはいないよ。
幾つもの宴を見届けただけ。
明日には新しい月日が始まるけれど、解りやすい哀愁に足を掴まれ、前が見れない。


―――落散る。 朽散る。―――


どうしてなのかな?
今日は土砂降り。
踏まれ、這いつくばる花弁を流す。
それに意味があるといい。
なんて、勝手な夢妄想。
救われない事ばかりが溢れるね。


僅かな晴間に両手を拡げ、すぐに降りだす雨に打たれた。
拡げたままの両手、雨傘にもなれない。
再び流れる、桜の花弁。


溶けていく。
解けていく。
時計の針、手折るのは「声」が最後。
カイトウされる……?


解凍した。
解答した。
感動の夢、繋ぐのは「声」だけだ。
トけていく……?


温かい春が来る。
トけて、カイトウする。


桜咲く。
桜散る。
落散る。
朽散る。
桜咲く。
桜散る。
落散る。
朽散る。
………………。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ