私的に詩的。

□オッドアイ
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安い孤独を贈ってくれる夜。
作り話でもいいから、ひとりと愛を教えてよ。


……怯えているオッドアイ。
その目には何が映っている?
片目だけ瞑るような器用な事が出来たら、何も混ざらないでいれたのかな?


生温い地面に寝転ぶ。
空を見つめる右目と、地面を見つめる左目。
光が痛いから右目は閉じた。
残った左目は、変化する温度に微笑む。
瞼は、哀しい妄想を描く。


片目を瞑るオッドアイ。
それぞれには何が映っている?
片目を瞑る作業にも慣れた頃に、意味が無い事に気付いた。


混ざる、混ざる。
空と地面。
平衡感覚を失った。


混ざる、混ざる。
地面と妄想。
現と夢が消えていった。


失せる、消える。
空を眺める。
色素の薄い目で見るのは辛いな。


……ひとりと愛の話。
結末は、御覧の通り。
両目を開くオッドアイ。
宵闇には何が映っている?
安い孤独を贈ってくれる夜の中では、何も混ざらないでいれたんだ。


それだけの話。
よくある話。
オッドアイよ、そろそろ夜明けの時間です。

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