私的に詩的。

□いたっ。
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弾けて、散った、季節感の無い花火は、頭の中で繰り返している。
冷めきった音は、理性に守られながら破壊を求めた。
もう、何処にも痛くない。


消えた理由は、いつも忘れてしまう。
痒みの先、痛み、噛むのは何故?
傷痕は消えるぐらいがいい。
忘れてしまえるから。
液と遊ぶ味覚。
…………薄れいく。


あぁあ、剃刀の痕は痛々しいね。
あぁ、足跡が残ってしまっているよ。


あぁあ、噛んだ後は清々しいね。
あぁ、何も、何も、何も、何も、何も、無いよ。
消えていくよ。


居たくない。
痛くない。
いたくなくなると、いたくなくなって、何処も、何処にも、いたくなくなった。


そして、痒くなって、噛んで。
いたい……と、思えた。


花火は繰り返していく。

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