私的に詩的。
□漆紅ーsickー
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白に毛細の紅が絡みついて、神経は静かに歩を進めて。
揺らめき、ぼやけ、仄かに香る視界。
金と銀の折紙を散りばめたのかい?
脱力感と踊れ。
血に飢えた装飾動物、見た目だけは惑わせてくれるね。
齧るように心を寄せ、俯く悲観思想。
幼さにお別れをした日、成長しない口でさよなら。
遅効性の、即効的眼精疲労。
気づけないまま紅く染まっていく。
目覚めているのは何故なのだろうか。
ほんの少しずつ白は消えていく。
逸らせないのは何故なのだろうか。
混ざりつつある黒の色彩。
全て謎になるのは何故なのだろうか。
紅く、丸く。
嗚呼と叫ぶ音に、声としての意味は無いのか?
映る世界は、充血の。
震える瞼を降ろした。
幼さにお別れした日、成長しない口でさよなら。
さよならを。
いつか目を開けれたなら、透明な明日があるのかな…………。