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□コンナニモ
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(好きじゃない)



(もう、好きじゃない)










あなたが


悪いの


もう、好きじゃないなんて










「……言ったから」












ねぇ、こっち見て?

あの子よりも私の方が

何倍も何十倍も









「…良い筈でしょ?」









にこり、と

愛しい彼に向けるその笑顔は

とてもとても

恐ろしく、ゾッとした。









「銀時…私はね、貴方が大好き」









その銀色の髪も

怯えきってる瞳も

血で赤く染まってる体も





全部、ゼンブ










「…すき」



だからね
また私に言ってよ






「すき、すき、だいすき、好きよ」






貴方の全てが


誰にも渡さない









「ねぇ、銀時は私の事すき?」










そっと、頬に触れると

びくり、と体を震わせた

そして歯を食いしばり…






「あぁ…すきだ…」









口角だけを上に上げて

フッと笑う









縛ってある銀時は

身動きが上手くとれない為

かなり精神がイッてる

だから何を言っても

何をされても

素直に何でも応える









つまらない

私はただ愛して欲しかった

何が足りないのか

何があんな奴に負けてるのか









悔しくって


こんな状況になって。









「……銀時、…私の何が駄目なの?」












ザシュ










「……っ」


じわりじわり、と服に染み渡る血


真っ赤になって


もう元の色は何なのか分からない









銀時はただ黙って

痛みを堪えてるだけ











つまらない
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