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□そんなキミもすき
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今日は私にとって

特別な日。



何でかって?

そりゃあ、大好きな人の










誕生日だもん。









さて、誕生日は良いとして…

誕生会をやろうかと本日主役の人に

みつからないよう

阿伏兎に頼んでおいて

いざ、やろうかと思うと………









「これ、一人で出来ないよね…」

「何が?」










………!!!?


「はぅ!?」

「どうしたの?珍しいネ悩み事?」










な、ななな

何故!!?

バッと扉の方へと目をやると

阿伏兎が両手を合わせて

「すまねェ」と聞こえはしないけど

そう言っているみたいだ。








「で、何の悩み事?」







にこにこ、と笑って
此方を見てくる主役さん

え、悩み事ですか?

とりあえず、今は

アナタが目の前にいることに

悩んでます……なんて、

言える筈もなく、








「え、悩み事何てないよ?」




「あはは…」と苦笑をする私。









「ふーん…そっか」


にっこりと、した顔で


「じゃあ、キミに質問してもイイ?」










………はい?(笑)


そんな、にっこりした顔で

質問して良いって?

駄目に決まっているでしょう








……なんて、言える筈もなく

「う、うん…なーに?」



にこにこ、と苦笑をする私













そして、彼は…










「今日は何の日だか知ってる?」










………あ、これはサプライズとか

出来ない感じじゃん

思わず心の中で笑ってしまう私








まあ、彼が覚えてるなら

しょうがないか…










「おめでとう、…神威」










今度はにっこりと

苦笑じゃなく心から笑って

大好きなキミに「おめでとう」て

言えた。









「ありがとう、
覚えててくれたんだネ」









ぎゅう、と

神威が私を抱きしめてくれた









「あのね、神威…」

「うん?なに?」









抱きしめたまま

会話しているけど

身長差で丁度、神威の声が

耳元で聞こえるくらいで

ドキドキする……










「あのね、神威…ほんと、」

「ほんと?」















「ほんとーに、悪いんだけど!
まだプレゼント買ってないの!!」

「……プレゼント?」








少し声のトーンが低くなった神威

あ、怒った?

冷や汗がドバァと出てくるなか

神威の言葉を待っていると……









「プレゼントはいらないからさ」

「へ?」









いらない?








「なに?いらないから?」









きゅう、とさっきよりも

少し強く抱きしめられ









「あと少しだけ、こうさせて…?」











っ!!!///

甘えるような声に

思わずきゅーーーんときたのは

内緒の方向で☆










「うん、分かった…」









私は抱きしめ返して









「ハッピーバースデー、神威」










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