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□My sweet
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「ごめんなさいね、遅くなって」
いつもはカウンターの中にいるミラジェーンが、朝ギルドを出て帰ってきたのは夕方のこと。
どうしても外せない用事があったとかで、レビィは代わりの店番を頼まれていた。
特に仕事の予定もなかったし、たまにはこういうのもいいか、とレビィは店番を快諾した。
カウンターの中から見るギルドはいつもと景色が違っていて、全く退屈にはならず業務を全うすることができた。
「はい、これお礼。大したものじゃないけど」
そう言ってミラがレビィに手渡したのは、ドリンク剤。
「栄養ドリンク?」
「ええ。疲れたでしょう?その栄養ドリンクは特別な魔法がかかっていてね。好きな人の隣で飲むとさらに効果が高まるのよ」
「へぇ、そんな魔法あるんだ」
レビィは栄養ドリンクを受け取ると、ミラと店番を交代した。
今日はちょうどガジルの家に泊まる予定だったし、本を読みながら飲もうかな。
「がんばってね、レビィ」
「…?うん、ありがとう!」
明日からの仕事を、とかかな?
ミラからの応援を深く疑問には思わずに、レビィは荷物をまとめギルドをあとにした。
「おう」
ガジルは既に仕事から帰ってきていたようで、ラフな私服で出迎えてくれる。
「今日はリリーが晩飯作ってったぞ」
未だに2人に気を遣って、レビィが家に来る前か、入れ違いで出かけることが多いリリー。
もうそんな気を遣わなくてもいいのに。
明日会ったら、晩ご飯のお礼と共にそれとなく言ってみよう。
「わぁ、シチューだ。いただきます」
具のたくさん入った温かいシチューが、立ちっぱなしで疲労していた体に染み込む。
サラダとパンをお供にシチューを平らげた。
「風呂入ってこいよ」
ガジルは既にお風呂を済ませているらしい。
「あ、うん。じゃあ」
食器を下げ、洗い物をしてからお風呂の支度をする。
丁度良い湯加減のお風呂に浸かりながら、レビィはふとミラに貰った栄養ドリンクの存在を思い出した。
たしか、好きな人の隣で飲むと効果が高まる…だったっけ?
確かに慣れない仕事でいつもよりも疲れた気がするが、こうしてお風呂に浸かってその栄養ドリンクを飲めば完全に治りそうだ。
レビィは湯船から出ると、軽くシャワーを浴び外へ出た。