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□揺れる人魚
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「皆で海に行くぞ!」


目を輝かせたエルザの一言が、ギルドに響いた。


「海〜?」

「また急ね、エルザ」


ナツとルーシィが1番に反応を示す。


「ここのところ、皆仕事続きだろう。たまには羽休めも必要かと思ってな」


そう言いつつも、1番行きたいのはエルザなのだろうとその場の誰もが思ったが、後が怖いので口には出さない。


「各自、行ける者は支度をして来るように。ギルド集合だ」


その言葉に、わらわらと人が移動しそれぞれ自分の家に一旦戻っていく。

読んでいた本を一旦閉じ、レビィはガジルに顔を向けた。


「ガジルは行くの?」

「お前は行くんだろ?」

「あ、うん。行こっかなって」

「なら俺も行く」


こんな台詞をさらっと言ってくれるようになるほど、恋人としての距離が近いのを感じてこっそり嬉しくなった。


今年は新しい水着を買ったのだが、海もプールも機会がなく行けてなかったので純粋に嬉しい。

ルーシィとウェンディと一緒に買い物に行った時に買ったものだ。

花びらがふんだんにあしらわれたバンドゥタイプのもので、店員含めルーシィとウェンディが似合う似合うと褒めてくれた。





一旦ギルドを出て、ルーシィと女子寮へ向かう。


「ナツも行くって?」

「ルーシィは行くのかって訊かれたから、行くわよって答えたらじゃあオレも行くって。」

「はは、ガジルも同じこと訊いてきた」


なんというか、気持ちのいい性格だ。



そんなことを話しながら女子寮に着き、支度を済ませて再びルーシィと合流してギルドへ向かう。


「あたしもレビィちゃんも今年は海行けてなかったし、なんだかんだ楽しみだね!」

「エルザが1番行きたかったんだろうけどね」


わかるそれ、とくすくす笑い合いながらギルドへの足取りは軽かった。

だいたいいつものメンツでギルドを出て、海へ向かう。

途中で滅竜魔導士たちは電車で乗り物酔いをしていたのだが、それもいつもの光景だ。
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