novel
□乙女心を知れ
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「ガジルの…バカ!!」
そんな声が響いた、ある日のギルド。
「何だ何だ、痴話喧嘩か?」
周りが茶化すのもかまわず、
レビィはギルドを出て行ってしまった。
「おい、レビィ!」
ガジルが追いかけたが、
すでにレビィの姿はなかった。
「珍しいわねー、ガジルとレビィちゃんが喧嘩なんて。」
ルーシィが首を傾げる。
「何があったのよ?」
ガジルは少しためらいながら、言った。
「明日の約束、ダメになっちまってよ…」
明日の約束、とは、
仕事続きになる前に交わしたデートの約束だった。
ここのところ
ろくに一緒に居れなかったので、
レビィがずいぶん前から楽しみにしていたのを、ルーシィは知っている。
「えっ!?約束、ダメになったの!?」
「報酬のいい仕事があってよ。その日限定だったんだよ」
まったく、この男は。
いや、男ってやつは。
「はぁ…アンタ、わかってないわね。
レビィちゃん、ずっと楽しみにしてて、明日のために服買ったりもしてたのよ?」
ガジルは仕事を入れたことを後悔した。
レビィの気持ちを無視してドタキャン、
しかも事後承諾。
レビィも怒るにきまってる。
ガジルは早足でギルドを出て行った。