novel

□焦がれる。
1ページ/6ページ




「ダンスパーティー?」


レビィは最近お気に入りの
マンゴースムージーを口に含みながら、聞き返した。


「そうよ。一般人なんだけどお金持ちの人が開催するらしいの。」


そう教えてくれたのはミラだ。


「そうなんだぁ…。いいなぁ。でもそれって、招待状みたいなの必要なんでしょ?」

「そうね。でもね、レビィ…」


ミラは声のボリュームを落とし、
レビィに顔を近づけて言った。


「私実はね、知り合いの人からそのペアチケットを譲ってもらったの」

「そうなの?よかったね!」


するとミラはにっこり笑って、


「私は行かないわ。あげるから、彼と行ってきたら?」

「か…彼…!?」


途端に、レビィの顔がリンゴ色に染まる。


「で、でも…ダンスパーティーなんて、一緒に行ってくれるか…」


いや、行ってくれないだろう。

めんどくせぇ、とか言って。

そもそも、
ガジルがダンスなんて踊れるのだろうか?

…想像できない。


「あら。行くわよね?」

「あ?」


ミラはいつの間にか後ろにいたガジルに問いかけた。

レビィが思わずビクつく。


「が、ガジル…おかえり」

「おう。」


そう言って、当たり前のように
隣に座ってくれる。

それが嬉しい。


「何の話だ?」

「あ…えっと、ダンスパーティー…」

「あー…一般人の金持ちが開くっていう、アレか」


意外だ。

ガジルが知っているなんて。



実はパーティーのチラシを見たリリーに、

「レビィと行って来たらどうだ?」

などと冷やかされていたガジルであった。


当のリリーは、
ハッピー達とじゃれている。


「ミラが、ペアチケットいらないからって…」

「2人で行って来たらどう?たまには息抜きも必要よ。」


相変わらずにっこりと、ミラが言った。







 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ