novel

□Merry X'mas!
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今日この日は、クリスマス。


お祭り好きなギルドでは、
いつもの騒ぎにクリスマスの雰囲気が混じっている。


女性陣はエルザを筆頭に、
サンタの格好をするのが決まったらしく、

ルーシィやミラ、ジュビア、ウェンディ、
レビィも例外なくサンタになっていた。


男性陣は、普段通りの者もいれば、
トナカイの角をつけた陽気な者もいた。


飲んで食べて騒ぐ、いつもの風景である。


ガジルはまだギルドに来ていなかった。


女性陣はクリスマスプレゼントの交換や、
お互いの恋人について盛り上がっていた。



レビィは一応、
ガジルにクリスマスプレゼントを用意していた。

手袋と迷ったが、
結局マフラーにした。

それも、がんばって、手編みで。

暗めのワインレッドでシンプルなもの。

リリーには同じ毛糸で手袋を。


こっそりミラに習ったのだ。


渡したいのに、
なかなかガジルが現れてくれない。

待っている間、だんだん手編みのマフラーに自信がなくなってきてしまっていた。


喜んでくれるかなぁ…。

重たいって思われないかなぁ…。


チラッとミラを見ると、
大丈夫よ、とも言いたげにウィンクされた。


そして、待ちわびた彼がやっと現れる。

ガジルは何か、大きめの袋を持っていた。

クエストの報酬か何かだろうか。



「よォ」


そして珍しく、ガジルから声をかけたのだった。

レビィの周りにいた女性陣は
気を利かせてそれとなく別のテーブルに移っていく。


「ガジル!遅かったね?」

「あぁ…ちょっとな。…つか、何だお前その格好」

「え?あぁ…どう、かな?」


どう、といわれても。

可愛いに決まってる。

それを素直に言えないのがガジルなのだが。


「…悪くねェ」

「ほんと!?」


ガジルにとっては精一杯の褒め言葉だ。

レビィにはちゃんとわかっている。
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