novel

□気分屋な彼の甘い衝動。
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「が…ガジル…?」


今の状況は…―そう。
ガジルがレビィを壁に追いやって、
両手をついて逃げられなくしている状態。

さかのぼること、少し前。



レビィはガジルの部屋に遊びに来ていた。
最初は他愛もない会話をしていたのだが、
段々とガジルがレビィを壁際に追いつめて行ってこうなった。

ガジルはレビィをじっと見つめて
何も言わないので、
レビィは不思議に思いながらも
後退りをしていたら、

…いつの間にか背が壁だったのだ。

そして、冒頭に戻る。


「ど…どうしたの、ガジル…ひゃあ…っ!」


腕を引っ張られてガジルの腕がレビィの腰にまわる。

上を向けさせられて何も言えないまま唇に噛み付かれる。

触れるだけだったのはほんの少しの間で、
すぐに舌が深く入り込んできた。


「んっ…ふぁ、は…がじる…っ、ん…!」


息を吸おうとガジルの胸板を押してみるが、
案の定びくともしない。

代わりに腰にまわされた腕の力が強まって、
ますます逃げられなくなった。


「ふぁ、苦し…っ、んん…!っ…はぁ、はぁ…っ」


やっと解放されて、レビィは息を吸い込む。

が、それもつかの間で、
顎に添えられていた手は後頭部に回り、
また唇を塞がれる。

角度を変えて、何度も、貪るように。


「んっ、ぁ…はぁ、んっ…ふぅ…っ!」


もうレビィに抵抗する力はなく、
顔を真っ赤にさせて瞳を潤ませていた。


「…赤ぇぞ。」


やっとしゃべったかと思えばその一言。


「っ…誰の所為よ!」

「っ、バカそんな目で見んな!」


そして、また。


「ん…っふぁ、んぅっ…!…ん、もう!がじる、んんっ…!何なの!?」


レビィは息も絶え絶えにやっとそれだけを口にした。


「…急に喰いたくなったんだよ。悪ぃか。」

「な…っ!もう、バカ!…も、疲れた…っ」

「悪ぃが止まんねぇな。」

「えっ…ちょ、きゃあっ!」


そのあと、
レビィが気分屋ガジルにたっぷり頂かれたのは、また別の話。





→あとがき
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