novel
□印
1ﾍﾟｰｼﾞ/3ﾍﾟｰｼﾞ
私の彼は、強面で意地悪で乱暴。
でもちょっと優しい。
そんな彼は、きっと私と会う前にいろんな女の人と関わったと思う。
今が大事だってわかってるけど、…
やっぱり恋人として、昔の女性関係も少しは気になるわけで。
「ねぇガジル、昔付き合った女の人って…どんな人だったの?」
「…あ?なんだそりゃ」
「だって私と付き合う前にもいたでしょ?」
「…いなかったと言やぁ嘘になるけどよ」
「どんな人だった?」
お前それ本気で訊きてぇのか?
と、渋るガジルに首を縦に振る。
「どんなって…積極的で気の強い女が多かったな」
積極的…
きっと、私とは真逆なんだろうな…
「ま、そのほうがなんつーか楽だったからよ」
大人で色気があって…
スタイル良くて…
私とは全然…
「…ほら見ろ、落ち込むぐらいなら訊くなっての」
「…じゃあなんで、私なの…?」
「はぁ?お前はなんで俺を選んだか答えられんのか?」
「それは…」
きっときっかけはたくさんある。
でもすぐに言えと言われたら出てこない。
「そういうモンだろ。昔の女にはこれっぽっちも未練なんかねぇし、だいたい最初っからなんとも思ってなかったしよ。」
「…でも、やだ」
「あ?」
「過去なんて気にしても仕方ないってわかってるもん…でも、いやなの。…ガジルは私のだもん」
なんだよこいつ、ヤキモチか?
可愛いなこのやろ。