novel

□私だって、負けてない。
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「やっと見つけたっ!」







明るくてよく通るその声が響いたのは、昼を過ぎたギルドの中だった。






いつものように、カウンターに座るガジルの横で本を開いていたレビィも、皆と同じようにその声の方向へ反応した。






声の主は、美しい桃色の髪をなびかせたナイスバディの女性。





いや、女性になりたての少女、という方が正しいか。





どちらにせよ、レビィとあまり歳の変わらなさそうな女性が、まっすぐこちらを目指して歩いてきた。





誰だろう?




それはレビィだけでなくギルドの誰もが思っていた。




女性はすぐそこまで来たかと思うと、あろうことかガジルに抱きついた。




「なっ…」




「会いたかった!ガジル・レッドフォックス!フェアリーテイルにいたのね!」




まるで、隣のレビィなんて見えていないかのようにその女性はガジルに熱い抱擁をしている。




当のガジルは訳がわかっていないらしく、混乱しているようだった。




レビィはその様子がさらに気に入らない。




そこに口を出す権利は、今のところないのだけれど。




「と、とりあえず…誰なんだてめぇは、」




「えぇ⁉︎ひどい、忘れちゃったの?1週間前に一緒に飲んだじゃない!」




待って、聞き捨てならない。




「1週間前って…あァ⁉︎お前、あの街から来たってのかよ⁉︎」




たしか、1週間前ガジルは仕事で結構遠くの街まで行っていたはずだ。




その街からわざわざガジルを探してきたのだろうか。
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