novel
□彼女の泣き顔は、
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賑やかないつものギルドに、緊迫した声が響いたのは午後3時を回った頃だった。
「大変だ!!」
そう言いながら慌てて飛び込んできたのは、チームシャドウギアのジェットとドロイ。
今日は朝からチームで仕事に出ていたはずだが、…レビィの姿が見えない。
「大変なんだ、レビィが…!!」
その言葉を聞いた時、ガジルの体からサッと血の気が引く。
「レビィが、山賊に…っ」
連れて行かれて、というジェットの言葉を聞くか聞かないかの刹那、ガジルの足は勝手に動いていた。
「あっ、おいガジル!」
仕事でどこに行ったかは知ってる。鼻も利く。
ガジルには、悠長に状況を聞いていられる余裕などなかった。
付き合っているわけではない。
けれどレビィのことは誰よりも大切だ。
レビィの元へとただ向かうこの足がその証拠である。
必ず助けるから、
無事でいろよ。