novel

□彼女の泣き顔は、
1ページ/5ページ



賑やかないつものギルドに、緊迫した声が響いたのは午後3時を回った頃だった。



「大変だ!!」



そう言いながら慌てて飛び込んできたのは、チームシャドウギアのジェットとドロイ。



今日は朝からチームで仕事に出ていたはずだが、…レビィの姿が見えない。



「大変なんだ、レビィが…!!」



その言葉を聞いた時、ガジルの体からサッと血の気が引く。



「レビィが、山賊に…っ」



連れて行かれて、というジェットの言葉を聞くか聞かないかの刹那、ガジルの足は勝手に動いていた。



「あっ、おいガジル!」



仕事でどこに行ったかは知ってる。鼻も利く。



ガジルには、悠長に状況を聞いていられる余裕などなかった。







付き合っているわけではない。



けれどレビィのことは誰よりも大切だ。



レビィの元へとただ向かうこの足がその証拠である。






必ず助けるから、

無事でいろよ。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ