novel

□Merry X'mas!
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「ほらよ」

「へ?」


ガジルが突然レビィの手に乗せたのは、

あの大きな袋だ。


「もしかして…プレゼント?」

「まぁな」

「…開けてもいい?」

「おう」


大したもんじゃねーぞ、と
ガジルは少し照れくさそうに
そっぽを向いた。


レビィがそっと包みを開けると、
そこには。


「わぁ…っ!」


可愛らしい顔をしたテディベアが
袋から現れた。

もしかして、これを選んでて遅くなったの…?


「…気に入ったか?」

「うん…っ!すごく可愛い!ありがとうガジル!」


しかもガジルがこのテディベアを
レジに持っていったことを思うと、
自分のためにそこまでしてくれた彼に
愛しさがあふれた。


「よかったな、ガジル」


一部始終を見ていたリリーが言う。

ほんと、3時間悩んだ甲斐があったものだ。


「わ、私からもね、プレゼントあるんだ…」


テディベアをぎゅっと抱きしめながら、
レビィは恥ずかしそうに言う。

そして持っていた袋を差し出した。


「…はい」

「ありがとよ。…見ていいか?」

「う、うん」


ガジルが開けてみると、
深いワインレッドのマフラーと、
小さな手袋が現れた。


「レビィ、お前…」

「うん…手編み、がんばっちゃった!」


ガジルはどうしようもない愛しさに駆られる。


「気に入って、くれた?」


先ほどのセリフをそのまま返す。


「…たりめェだろうが」

「よかったぁ!あ、こっちの手袋はガジルとおそろいで、リリーに!」

「俺にもあるのか。ありがとうレビィ。」


ガジルは葛藤していた。
今すぐ、抱き締めたい。

愛する人からの“手作り”がこんなに嬉しいと、知らなかった。

でもここは、ギルドの中だ。
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