novel

□私だって、負けてない。
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「そうよ!あたしはマリー。あなたに会いたくて探してたの。きっとあのバーで出会ったのは運命だったのね!」




もはや勢いに圧倒されてガジルもレビィも何も言えないでいた。




「出会ったって…あれは一人で飲んでたらお前が勝手に隣に、」




「だって一目惚れしたんだもの」




直球すぎる。




レビィはだんだんと暗い気持ちになっていた。




こんな美人で、スタイルもいい女の子に直球で告白されれば、どんな男だって多少は傾くに決まっている。




「おま…何言って…」




ガジルがほとほと困ったようにこちらに目線を向けてきた。




予想していなくて、ガジルと目が合う。




よかったじゃない、ガジル。


こんな美人に告白されて。




意地を張って言ってしまいそうな言葉でさえも、気力を失って喉からでてこない。




そこでようやくレビィを目に留めた桃色の彼女。




「…あら?ガジルの妹さん?」




「…!」




それが本気なのかわざとなのかわからなかった。




だけど、少しの嘲笑も含まれてる気がした。




まるで勝ち誇ったように、もうガジルは自分のものだとでも言いたげに目線を向けられて、レビィはひどく打ちひしがれた。




何も言ってくれないガジルに対しても、何も言い返せない自分に対しても。








「あ、レビィちゃん!いたいた!」








この声は、親友だ。





「約束してたでしょ?早く行こう!」




ああ、ルーちゃん。




約束なんてしてない。




助けてくれたんだね。
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