novel

□空が咲く、夜が笑う。
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「ねーっ!ガジル!きいてるー?」



以前も酔っぱらったレビィが笑い上戸になったことがあったが、今日も例外ではないようだ。


あははだとかうふふだとか、頬を赤くして楽しそうに笑っている。



「なんだよ?」



あまりに聞いて欲しそうなので、苦笑いしつつも返事をしてやると。



「だからー、ガジルはね!ずるいのー!」


「はァ?」



全く予想してなかった言葉が斜め上から飛んできた。

何がどうずるいのか。

今までそんな会話はしていなかったと思うが。



「何がだ」


「だってね、どんどんかっこよくなるんだもん。この間だって、カフェにいた女の子たちガジルに見惚れてたもん!」



ガジルはわたしのなのにー!



と、普段ならあまり聞けないような台詞が飛び出し、思わず固まる。

顔が熱い。酒の所為ではなさそうだ。



「だからね、ずるいの!」



わっ、と効果音が目に見えそうな勢いで瞳を潤ませたレビィがテーブルに突っ伏した。



「な…」



驚きと照れと可愛いと思う感情やらなんやらが混ざり合ってまともに反応もできない。



「…ふふっ、ガジル、へんなかおー!」



固まったまま動かないガジルを不思議そうに見上げ、ぱっと笑うレビィ。


今日は泣いたり笑ったり、その表情はコロコロと忙しい。


少し伸びた空色の髪と、咲くような笑顔がレビィを色っぽく魅せた。
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