Novel

□僕とボク。
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あぁ、嫌だ。
僕はまた憂鬱な気分になる。相手はいつも同じ。
そいつはクラスでも、部活でも、学年でも、よく声をかけられ、弄り、弄られている奴だ。
まぁ、どこの世界にもいる『人気者』、っいう奴だ。
ただ僕は、どうにもそいつと性格、性質的に合わないらしい。そして、それを誰にも相談できずにいる。
勿論、相手が『人気者』だからだ。そうじゃなければとっくのとうにそうしているだろう。ただ、そいつが運悪く相手、というか敵というか、そういう類いに入ってしまったというだけだ。
だから、僕の友人に心の内を話しても「そうかなぁ?そうは思わないよ?」で済まされてしまうだろう。
けれど、それは学校内、いや、学年内のみで言えるわけであり、違う学校、学年の知り合いに相談することもできるわけなのだが…、それは、今だ叶わないでいる。
時間的問題。
それが邪魔をしているのだ。相手の都合と自分の都合とがぴったり合致するケースはほとんどない。それは別の学校であり、部活動に入っていたら尚更だ。
溜め息。
どうやら僕には溜め込む以外に選択はないようだ。
ならば、仕方がない。諦めよう。僕は諦めがいいほうだ。
それをボクが許してくれるかどうかは、わからないけれど…。
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