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□兄の剣の実力
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手話講座から2日後

「ん〜。次は疑問についてやろうかな…」

白紙の紙とにらめっこしていた。

「…次の講座の本か?」

愛刀を手入れしている一が尋ねた。

「そう、自己紹介のも入れてもいいかなと思ったけど、
実際、使うのは桜だけだから省くよ」

「…まあ、紹介をしなくてもお互いの名前は知っているからな」

「そうそう」

そんな会話をしていると

「誠君、いる?」

総司の声が障子越しに聞こえた。

「いるよ」

そう言うと、総司は一になんの許可もなく入ってきた。

「…総司、例え俺の部屋でも許可を得てから入れ」

「え〜、面倒だよ。それに今は誠君に用事があるんだから」

「なんの用?」

「誠君はさ、刀は持った事ある?」

脈略のない話に戸惑いながらも答えた。

「本物はないよ。竹刀ならある」

「へェ〜…」

何か悪巧みな事を思いついたような顔をした。

「ねぇ、今から稽古しない?」

「…は?なんで…」

「誠君はさ、桜ちゃんに剣を教えて上げてたでしょ?」

「…まあ」

学校の授業で剣道に興味を持った桜。
しかし、受け入れてくれる道場はなかったので、過去に剣道を習った事がある僕が教えていた。

「この前、桜ちゃんと一君が戦ったんだけどさ」

「…へ?桜と…一が…?」

初めて聞かされる話に驚いてしまった。

「でね、勝ったのが桜ちゃん」

「桜が一に!?」

その発言により一層驚いた。

『一は新選組で総司と肩を並ぶほどの剣士なのに…』

「桜ちゃんは誠君から習っただけだって言うんだ。
あの子があんなに強いなら誠君も強いよね」

「強いよねって言われても、暫くやってないし…」

「いいじゃん、行こうよ」

「え!?本人の許可なし!?」

総司に引っ張られ、道場に向かった。

「…興味あるな」

一も僕達の後に続いて道場に向かった。
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