スマイル！
□ハイテンション
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土曜日
朝からよく動く愛。
―『お母さん。
このクッキーの味見してくれる？』―
ここのところ、黒木家で使われる、手話を読み取れるようになった。
『…慣れが大事か』
―『美味しそうね。
それじゃあ、頂きます』―
サクッ
愛の母は菓子を口にした。
―『美味しいわ。
私なんて、料理はできても、お菓子は全くだもの。
お父さんも食べたかっただろうな〜』―
愛の父は仕事で午前中はいない。
―『…良かった。
だったら、これで良いかな？』―
―『これ、今日、来るお友達に？』―
―『うん。せっかく来てくれるんだもん。
ちゃんとおもてなしをしないとね』―
今日は愛の友達が来る日。
俺が思う限り、斎藤は来る。
『…それにしても、
さっきから嫌な予感がするんだが…』
さっきからくしゃみをするは、
ドアにぶつかるはと普段では絶対にしない失敗をしている。
『…ただの思い込みならいいんだが…』
その嫌な予感が的中した。