HAND

□怖い…
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ハッ!

私は意識を取り戻した。

『…なんだったの…?』

そう思って、辺りを見渡した。

『…ここ…東京じゃ…ない』

高いビルや街灯の灯りがない。あるのは古い街並みと月明かりだけだった。

『…怖い…』

本当だったら、どこからか音が出ているかもしれない。けど、耳に補聴器をしているだけの私にはその音が聞こえない。
それが怖いと思った。

そう考えていると

『…何?』

どこからか、奇妙な気配がした。
私はその気配の源を探してみると

『…!』

人が刀で人を殺している現場がそこにあった。
気配も加害者の白髪の男達から漂わせている。

『怖い…』

その光景はあまりにも酷かった。

そして

『…あ!!』

私は恐怖のあまりに転んでしまった。
そして、一人の白髪の男がこちらを見た。
私の存在に気がついたようだった。

「…!……!!」

その男は何かを言っていた。
しかし、辺りが真っ暗では口が読めないため、私は読み取る事はできなかった。

すると

『…!』

男が私に向けて刀を振ってきた。
私は体を庇うように縮めた。

しかし、予想していた痛みが来なかった。
恐る恐る、顔を上げてみると

『…!』

先程とは違う人が私に刀を向けていた。

「――。…」

私はその人の口を読もうとした時、意識を手放した。
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