HAND
□不思議な少女
1ページ/4ページ
私がこの世界に来て、1ヶ月が過ぎようとしていた。
朝
屯所の中が騒がしかった。
ドタドタ ドタドタ
『…音は聞こえないけど…外でなんか振動があるもん…絶対何かがあったはず…』
私は恐る恐る、自分の部屋の障子を開けた。
すると
『…あれ?』
私は障子を閉めた。
『今…沖田さんがいなかった?』
私は再び障子を開けた。
『…幻覚じゃない?』
「いつまで、そうしているのかな?桜ちゃん」
『!?』
私は思いっきり障子を開けた。
『ななななななんで沖田さんがここに!?』
「僕がなんでここにいるの?ってみたいな顔をしてるね」
『…また心を読まれた!!』
「悪いけど、今から広間に来てくれない?ご飯の前にちょっと面倒な事が起きたんだ」
『…なんだろう?』
私は障子を閉め、着替えて、補聴器をつけようとした。
『…あ、電池がないんだった』
私は首に掛けてた袋を出した。
『他の持ち物は土方さんが預かっていたけど、これだけは首に掛けてたからとられる事はなかったのよね』
袋の中からボタン電池を取り出した。
そして、補聴器の電池を取り替えた。その取り替えた補聴器を耳につけた。
『…音が入る…これで大丈夫ね』
私は部屋を出た。
「やっとでてきた。さ、早く行くよ」
沖田さんは私の手を握って広間に向かった。