HAND
□手話講座
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食事が終えて、私は部屋に戻った。
―ひとりで寂しくなかった?
広間に行くときに見た千鶴ちゃんの寂しそうな顔が心配になり、つい聞いてしまった。
「大丈夫だよ。約束だもん」
何でもないような顔をする千鶴ちゃん。
「ね!早速、手話を教えてくれないかな?」
―本当に手話を学びたい?
確認のためにもう一度聞いた。
「もちろん!よろしくお願いします、桜先生!」
「…ふふ」
私を先生と呼んだ千鶴ちゃんが可愛くて思わず笑ってしまった。
「桜ちゃん…笑顔が可愛いね!」
千鶴ちゃんが嬉しそうに言った。
こうして、私による手話講座が開講した。