HAND
□男になります
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「これを着ろ」
斎藤さんの部屋で着物と袴を借りた。
「着付け方は分かるか?」
コクン
私は頷いた。
「そうか。では、俺は外に出てる。おまえはここで着替えろ」
そう言って斎藤さんは部屋を出た。
『さてと、さっさと着替えよう』
私は着物の方に着替えた。
着物と袴は剣道の授業で着付けた事があり、慣れていた。
『…あ、髪も結ばないと』
履いていたジーンズのポケットからゴムを取り出して、髪を高く結い上げた。
『補聴器が見えるけど…いいか。服を畳んで…』
さっきまで着ていた服を持って、斎藤さんの部屋を出た。