会話文

□あなたと過ごす月 ~クラサメ×エース~
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「ジャック…」

「な、ナイン〜?」

「俺、もう…」

「ちょ、待っ…」






・・・。






「熱ぃんだよこらぁぁぁあ!」

「だからその武器しまって〜!」

「オイもう一試合だこら!」

「僕は熱いからもう止めたいんだけど!」




たいちょ〜!、とジャックは隊長に助けを求めるが
生憎隊長はシンクとケイトの試合を見ていてた

無視!?、などと叫びながらナインの槍を避け続けるジャック

悪いけど……




「健闘を祈る、しか言えないな」

「激しく同意」




そう言う僕の言葉に同意したのはマキナ

ついさっき、二人でやった訓練が終ったところだ



ナインが苛ついている原因、それはこの暑さだろう
昨日はこんなに暑くなかったのに今日はとてつもなく厚い


そう言えば、もう7月に突入したんだった

逆に、昨日がまでがあんなに涼しかったのがおかしい


正直、僕もこの暑さにはバテた




「エース、もしかして暑いの苦手?」




マキナが僕の顔を除きこんできた




「ああ、急な温度変化が苦手だ
特に暑いのがちょっと…」




と、空を仰いだ




「エース、尋常じゃないくらい顔が赤いけど大丈夫?」




マキナがそう言って頬に手を当ててきた

確かに心なしかマキナの手が冷たく感じる


マキナが差し出してきたタオルを貰おうと手を伸ばした時だった




あれ…?





「…エース?」




目が霞んできた




「エース!!!」




マキナの声が響いた





「エース!?」

「マ、キナ…」




マキナの顔が真上に見えた




あれ、僕はもしかして倒れたのか?




その時、視界に黒いものが移ったと思った瞬間体が浮いた




「エース!?大丈夫〜!?」

「おいこらジャック!何逃げてんだコラァ!」

「今それどころじゃないよ〜!」




揺られながら皆の心配する声を聞く

すると急に視界に影が射し涼しくなる




「熱中症か?」

「熱中症とは…」

「また始まったよ…」




木陰に降ろされたのだろう
かさかさと木の揺れる音がする




「マキナ、タオルと水分を貸してくれ」

「は、はい!」

「後、誰か氷と食塩水をリフレから貰って来てくれないか」

「オレが行く」

「エイト、あたしも行く!」





皆が慌てたように走ったり戸惑ったりと大忙しだ




「エース!?どうしたんだコラァ!」




うん、ナインに関してはほうっておこう




「手の空いている者は水分補給
訓練は今日、一切禁止とする」

「俺はまだ行けるぞおい!」

「お前は休め!
僕の為にも休んでくれ〜!」




その光景を見たクラサメが溜め息を付き、マキナから貰ったタオルに水分を染み込ませ首に当ててきた




「大丈夫か」




いや、全然大丈夫じゃない




「吐き気は」

「少し、だけ…」




そう言うとクラサメがもう一枚のタオルで汗を拭いてくれる


そして優しくおでこに手袋を外した手を当てられた




あ、冷たい


魔法、だろうか





「…気持ちいい…」




そう言うと、氷が来るまでの間だけなと、少し笑った気がした。














氷剣の死神と言われる男は





(隊長ー!氷と食塩水持って来たよー!って、何この空気)
(ラブラブなんだよね)
(………)
(レム、何気にマキナを傷付けないであげて)






*

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