Candy Color
□黄昏ロマンス
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キーンコーンカーンコーン
毎日聞き慣れた、軽快な音が校内に響く。
軽快に聞こえるのは、このチャイムが授業の終わりを報せてくれたから。
「先生、帰ります!また明日ー!」
同時に、私は鞄を持って飛びたした。
急がないと、間に合わない。
学校を出て大通りへ。
背の高いビルの隙間をぬけ、細い道をすすむ。
高層ビルのちょうど裏側に現れた、6階建ての廃墟ビル。
重いバッグをからいなおし、階段を駆け上がって行く。
最上階にあがると、大きな窓から一望できる街並み。
「きれーい!」
夕陽の沈む寸前、ここからしか見えないオレンジ色の太陽。
山の間に隠れる寸前、オレンジ色の光は辺りに散らばり、宝石のように街を照らしてくれる。