たんぺん

□あめのひ
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(雨は、きらい。)




天気予報は降水確率15%。

なんとなく持ってきたビニール傘が役に立って良かった。


一安心して、昇降口にある傘立てを見ると、そこにあるべきはずのビニール傘は無くなっていた。




『…傘忘れたからって、人のもの、盗むなよ』




夕立のように降る雨に、ため息。

雨音のせいで、それすらも掻き消される。


こんな日にバイトがあるなんて最悪。




「…よ、」

『あ。黒崎くん。どうしたの』

「お前がどうしたんだよ?」

『傘、取られた』

「…災難だな、折り畳みで良ければ入るか?」




す、と差し出された黒い傘。

一瞬迷ったけれど、うん、と頷いた




『バイト先までお願いして良い?』

「おー。俺の家の近くだよな確か」

『うん、ありがとう』

「それにしても久しぶりだな」

『クラス離れちゃったもんね』




彼、黒崎一護とは1年の時のクラスメイト。

仲の良かったほうなんだけどクラスが離れたらあまり話す機会もなくなった。

そんな関係。





「雨、嫌いだっつってたよな」

『…うん、』

「俺も嫌いだった」
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