たんぺん

□あまい
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男女の愛のそれが終わったあと一護は眠りについた。

あたしはなんだか眠れなくて、彼の寝顔をぼんやりと眺める。


付き合ってから色んな表情を見てきたけれど、いまだに寝顔だけは慣れない。

眉間の皺もなく可愛らしい表情で眠る彼はまるで子供みたいだ。




(ホント、さっきまでとは大違い)




そう思って先ほどの行為を思い出して体が火照る。

いつも彼にばかりリードされる。


たまにはあたしも・という考え頭のなかをぐるぐると回って、そのまま視線の先にある一護の唇に口付けた




『…あんま、甘くない』




先ほどまでは甘く甘く感じていたキスが甘くなくて。

ガッカリとして寝転んだ瞬間、寝ていたはずの一護があたしに跨がった




「寝込みを襲うなんてな、お前が」

『甘いかなって、一護の唇』

「なんだそれ」




笑った一護に頬が緩みながらも、近付いてくるのが分かって目を瞑る。


重なった唇は、ちゅ、とリップ音をたてて離れ、目が合って、もう一度重なった。

舌を絡めとられ、甘くしびれる感覚に、目眩




『…なんで?甘いよ』

「そりゃそうだ、甘ぇのは、お前の唇」

『なにそれ』

「じゃ、もっかい確めるか」




にんまりと口角をあげた一護に、うん、と頷き、重なった唇に意識を向けた






(あなたとのキスはなによりも甘い)

***

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