たんぺん

□上昇気流
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 私は、先輩に憧れてこの高校に入学したといっても過言ではない。私が中学生のとき、先輩に助けられて一目惚れ。少女漫画みたいな出会いかもしれないけど、それでもわたしは先輩に近づきたくて入学したのだ。

 たった一年、されど一年。私には近づけない壁のようなものがある。

 高校二年生になった先輩ははじめて見たときよりもどこか変わったような気がした。それがどこか、とか、そこまではよく分からないけれど、きっと決意とか覚悟とか心の変化なんだと私は思う。


『…せーんぱい!』

「おー杏か、」

『またおサボりですか?』

「そういうお前もサボりだろ」


 屋上で空を見上げる先輩はキラキラ輝いている気がした。壁に寄りかかって座る先輩のとなりに腰を掛ける。すこし近くに座りすぎて、触れそうな距離に、私の心臓はこれでもかというくらい鼓動が早い。

 できるなら、もっと近づきたい。

 そんな想いはきっと先輩には届かないだろう。だけどいいんだ、こうしてそばにいられるだけで、たまに先輩が頼ってくれるだけで私の心はじゅうぶん満たされる。


「なあ」

『なんですか?』


 だから、それ以上なんて、望まなくてもいい


「眠ィから、寝るわ」

『そうですか』

「お前も寝ろよ、起きたらどっか行こうぜ」

『…え?』

「天気良いのに勿体ねーだろ、学校なんて」


 屋上に寝転んだ先輩が、ひとつあくびをして、つむった目の上に腕を乗せた。数秒後に聞こえるのは、静かな寝息。そして私を襲う眠気に耐えられず、隣に寝転ぶ。

 こうやって隣で寝転ぶとカップルみたいだなぁなんて1人で笑ってしまった。そういうふうに見られたら良いなあ、なんて、思うけど。


『おやすみ、先輩』


 起きたらどこに行こうかな。先輩とだったらどこでも楽しいだろうな。

 なんてね。



**

書き方変えてみました。
どっちのほうがいいかな。
とりあえずこれは練習、ということで。

先輩と後輩。
このこたち付き合わせてあげたい。
続編いつか書きます。

タイトルにあまり意味なし。

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