銀魂
□保護者の受難
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「お前なんてだいっ嫌いアル!!」
「そういったって今更しょうがねぇだろィ?」
ここ万屋では先ほどから沖田と神楽の言い合いに挟まれた銀時という普段はあり得ない光景がかれこれ二時間は続いていた。(ちなみに新八はお通ちゃんのライブのため、定春は雌犬とデートで不在である)
「てめぇらいい加減にしろぉぉ!!落ち着いてジャンプも読めねぇじゃねぇかぁぁあ!!」
そんなカオスな光景の中、ついに銀時がブチギレた。
「何でここで口喧嘩なんかしてんだよっ!いっつも見たく外でドンぱちやりゃいいじゃねぇか!」
銀時のキレた原因はどうであれ、今のは普段お互いをライバル視し、あえば激しい戦いを繰り広げる彼等を知っている者であれば、当然の疑問である。
「それが無理だからこうして話し合いをしてるんじゃねぇですか」
「そうアル!!じゃなかったらこいつを家に何て上げないアルっ!」
「だから何で今日に限って無理なんだよっ!?銀さんの至福の時を邪魔して楽しいですか!?」
銀時は今にも血管がどこかの大串君のようにブチ切れてしまいそうで見ているこっちがハラハラだ。
「しょうがねぇでしょうィ?そこのチャイナが妊娠しちまってんでさァ」
「そうアルヨ!まだ2ヶ月なのに動き回れるわけないネ!!」
「ふーん、妊娠してんならしょうがね…………って妊娠ンン!!!!??つうか2ヶ月ぅう!!?」
銀時はあまりの衝撃に持っていたジャンプを自ら真っ二つにして、ついに血管が切れてしまっている。
「あり?旦那ァ気付いてなかったんですかィ?」
「なっ!?妊娠ってお前らいつからそんなっつか神楽お前14歳!!てかどうしよう……あのハゲに処刑されるっ!!あの世に送迎されるぅぅっ!!」
銀時は何とか現実に生還出来たが、某増毛剤CMの親馬鹿の魔の手に気づき、顔が真っ青を通り越して真っ白だ。
「そこらへんの説明は旦那からよろしくお願いしまさァ、俺達は真撰組にも報告してきやす」
「なっ!!マヨとゴリにまで話したらどんどん広まっちゃうじゃないアルカ!!」
「俺にはこんなかわいい嫁さんができましたってはやく皆に自慢したいんでさァ、勿論俺の姉上にも後で報告へ行きやしょォ、神楽?」
「……総悟」
出て行ったバカップルを除けば、後に残されたのはあまりの展開について行けず、灰化した銀時だけだった。