心の中の気持ち

□05才能の差
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社「どうでしたー彼女は?」

社長がそう言っても誰も口を開かなかった。

林「ね、ねぇシャイニー…
あの子達には早かったんじゃないかしら…」

林檎が頬に手をあてて心配そうな顔をする。

龍「…そうだな…さすがに早すぎた…」

『でも私は、彼女、彼等がどう成長するか楽しみでもあるわよ?』
社「おや、零さーんきたんですか?」
『うん…なんか楽屋にさミーハーな人達がたくさんいて出れなかったから窓からでてきちゃった』

零は舌をペロッとだして軽く笑った。

が、すぐに笑顔は消え真剣な顔になり生徒達の方をみた。

『…でも…君達。
本番に小さなミスしすぎ
気付いてる人は気付いてるよ?
なんのための練習なの?』

これは講師の言葉だった。
が、誰も何も答えなかった。

そんな生徒達をみてため息をついた。
『才能があるのかないのかわかんないなぁ…
社長、こいつらカスだね』

「カス」という単語でようやく誰かが喋った。

「……じゃ……です…」
『ん?』

春「音也君達はカスなんかじゃないです!」

『…で?』
春「………え……?」

春歌はそう返ってくるとは思わなくて驚いた顔をした。

『私は別にそんな言葉を待ってたんじゃないんだけどね?』

ガッカリ…だなぁ…と言って龍也達の方をみる。

『私、おりるね?
なんか私無理だなぁ

この子達、全然切り替えはやくないんだもの
こういうズルズル引きずるやつらなんてすぐに消えるしね


それに、求めた答えが返ってこないんだもの

特に…一ノ瀬トキヤ君』

トキヤは少し顔をあげた。

『君はこういった場面何度もあったはずで慣れてるべきなのに…全然違う…はっきり言ってプロ失格なんじゃないの?
トキヤ君本人になって歌は心がこもっていても心は前に進もうとはしていない。
...
進む力はHAYATOの方があったみたいだね?』

ト「…前向きなのが…HAYATOの性格設定でしたから…」

『……呆れた。
性格設定でもあったけど、頑張ろう。次こそは!とは思わなかったのかよっ!!??』

ト「…!」

『ここで諦めるなら本当に三下でカス以下決定!!!!
じゃあな!』

イライラしながら楽屋をでていった。

彼女はただ欲しかった。



“『次は絶対に負けない』”
“『絶対に追い付いてみせる』”
…と。

角を曲がったあと壁に背を預ける。

『…期待…はずれ…だな…』

彼女の顔は曇っていた。
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