新テニ

□02中学生の実力
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「ちぃ―――す」

まったく派手な登場の仕方…。
でもそれがリョーマらしい。
静の口が弧をつくっていた。

その表情をみれば世界中の女達の心を射止めるほどだった。

....
「ちぃ―すじゃねぇ突然居なくなりやがって!」
「く苦しいっス…桃先輩」

「おチビぃ―――っ!!」

菊丸がリョーマの頭をペケペケとチョップした。
「い痛いっス…英二先輩」

ギャーギャーと中学生が騒ぎだす。
『…愛されてるねぇリョーマ
でもそんな騒いでるとうるさい奴が黙ってないぞ…』

「ゴラァ〜〜ッ中学生共っ!!」
『ほぅら…まったく期待を裏切らない人だなぁ…』

「一人で何個もボール取ってんじゃねーよペッ」

【高校2年 佐々部 順一】

『…神聖なコートに…唾を…何回言えばわかるんだあいつは…』

静の声が低くなり背中からなにか黒いものがでてきた。

「そーいや侑士…さっきコーチがボール取れなかった人は帰れって言ってたよな?」

向日がクスクスと笑いながらダブルスのパートナーである、忍足 侑士に言った。

「岳人…声デカいでぇ」
「ひゃっひゃぁ――っ残念!
ちゃっちゃと帰っちゃって下さいよ!!」

あぁ、いまの完全に高校生が嘗められたな…。

〔ボールを取れなかった方々は監督の意向通り速やかに帰宅しなさい!以上です――〕

『…そんなんで帰るとは思えないけどなぁ…絶対にあの佐々部(バカ)はなにかを起こすぞ…』


「おいおい…こんな乳臭ぇ中学生共と俺たちが入れ替わるってのかよ!?
試合だ…テニスで決着つけようや」

『本当におまえはバカだね…
勝てるはずなんてないのに』


「クスクス…本当だね」
「またお前は傍観してんのかい」「俺たちはあっちにいってみるが静もくるか?」

聞き慣れ、慕っている高校生の声が聞こえ下をみるとやはりあの三人がいた。

『…そうですね…行きます』

妖しい笑みを浮かべながら木から飛びおりた。
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