心の中の気持ち

□06こっちをみてよ
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数日たったある日のこと…。





ガチャ…。

『あら…藍…どうしたの?』

自分の部屋に入るとソファーに座っていた藍がいた。

藍「……」

零の声かけに気付かずブラザーエンブレムを眺めていた。


…もしかして故障…?



でも…メンテナンスをかかさず行っている藍にかぎってそんなはずはないはず…。



『藍?』


零は藍に近づきソファーには座らず床に膝をつけ藍の手を両手で握り締めた。

藍「…っ…あ、…零…」


『あぁ、気付いたね…
どうしたの?悩み事?』

藍「…そんなとこかも…ね…」

藍がこんなに悩むなんて…。



『…後輩のせい?』
藍「後輩…?

あぁ、ショウとナツキのことか…別に…」


『あぁ、じゃあ社長になにか言われたんだね…』

藍「…っ…」

藍は眉をひそめた。

藍「わからないんだよ…

今日、社長のとこに行ってね三人で歌ったもなを録ったCDを聴いてもらったんだ…。


ボクには《愛がない》と言われてね…
いままさに《愛》について考えていたんだけど……


理解に苦しい…」

あぁ、それでか…。

藍はロボだ。
ロボにその感情をだせと言われたところで導きだすのに困難だろう。

『…うーん…第一愛って考えだすものかな…?』

藍「………どういうこと?」


藍はますます意味がわからないといった表情をした。


『愛って考えるものじゃなくて感じるものじゃない?
それに感じるものにはいっぱいあるし…可愛いとか、かっこいいとか…
うーん…そうね例えば…』

零は辺りをキョロキョロと見回し、ある一定の方向に指をさした。

『私にとって、あのぬいぐるみは可愛いと思うわ
あ、それとあのコップも…

あの衣装とかカッコいいと思うし…。』
――――――――――――――――――――。

『人によって、可愛いとかの感情は人それぞれなの。

だから感情は自分の思ったことなのよ』

そういって右手で藍の胸にトントンと叩いた。



『焦る必要なんてないし、藍は藍なんだから…』

最後に零はニッコリ笑った。
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