心の中の気持ち

□09藍と後輩
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突然、フワリと自分の身体が浮いた感覚がしたが誰かがしっかりと支えられている。

浮いた感覚ははじめすこし怖かったが、支えられていることで安心感がありずっとこうしていたいなと思ってしまった。




あれ…私…どこで何をしていたっけ?


CDを聴いて…ダメ出しをして…それでそれで…。


考えていたとき浮いた感覚がなくなり柔らかい感触がした後支えられていたものがなくなりすこし物足りない感じがして腕をどこかに伸ばす。



伸ばした先に何かを掴みそのまま考えるのをやめ意識を手放した。




――――――――――――。


「……ん…?」


体の半分が温かくその半分が寒くて起きたとき頭を少しずらすと肩にもたれかかれるような重みを感じそこに視線をむけると気持ち良さそうにぐっすり寝ている零がいた。


なぜここに?と一瞬思ったが寝る前の出来事を思い出して理解した。


起こすのも忍びないのでそのままの姿勢でいると後ろから控えめに
ガチャ…という音がして体はあまり動かさず首だけを少し動かし後ろをみてみると翔、那月、春歌がいた。



「あぁ、藍ちゃんおきたんですね」

那月はフワリと笑い少し小声で話し掛けた。


「あ、の…風邪を引かないようにブランケットをもってきたんです。」


春歌がおずおずとブランケットを広げて二人にかけた。


「ま、零は五日間のライブで帰ってきたばっかなのにいきなりのTV出演だもんな」

そう彼女は心身共に疲れきっているためか起きる気配をみせない。
そんな零をずっとここで寝かせるわけにはいかないと思い体を支えながら自分の体を動かし肩と膝の裏に手を回し零を持ち上げた。


びっくりするぐらい軽くて本当にちゃんと食べているのか不安になったが、藍はそれを顔にださず三人に視線をむけ言った。


「……僕がベッドまで運ぶよ。

君たちも早く寝たら?」

「あぁそうですね。

おやすみなさい、藍ちゃん、零ちゃん」

「おやすみなさい」

「おぉ、おやすみ」


那月は手を振りながら、春歌はペコリとお辞儀をして翔は片手を顔の横まであげて言った。


「…うん、おやすみ」



藍と零は三人に見送られながら部屋をあとにした。
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