新テニ

□03高校生・彼女の実力
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「ええ―――――っみんな帰ってもうた!?
待ちぃややろーで兄ちゃんら!?」
「ゴメンね
勝手な試合は本来ここでは厳禁なんだ
1番〜16番までコートが分けられてるんだちなみに番号が若い方が強い選手ね
うん、疲れちゃった静お願い」

『えぇ、奏さんお疲れ様です
この合宿では毎日練習前コーチにより何組か〔入れ替え戦〕が発表される。

上に行くにはそれに勝しかない…そう…』

そのあという言葉に静の笑みを深める。
中学生はその笑みにゾクリと身を震わせた。

『対戦相手を引きずり落とすのがここのルール』

「僕は3番コートの入江!
よろしく」
「5番 鬼!」

切原がでしゃばり徳川の腕をつかむ。

「アンタは強いんスか?
いや〜ボク試合… !」

思わず切原が目を見開いた。
そう、彼の威圧的な目に。

「帰りたいのか?」

う動けねぇ……

『あーぁ、ほらカズさんから離れな…』

静は切原と徳川の間にはいり離れさせた。

『ほら、大丈夫か君』

静があの笑みとは対照的に安心させるような微笑みを切原にむけていた。

「は、はい…!」
その微笑みに切原は頬を染めた。
なぜかそれをみて徳川はイラッときて静の腕を掴み「練習に戻るぞ」と言った。

『あぁ…そうだな…行…〔静、すいませんが中学生の案内をまかせますよ〕…けないようだ…』

「黒部コーチが言うなら仕方ないね…」
「そうだな、ほら徳川行くぞ」
「…はい…じゃあな」

『えぇ、後で行きます』

三人を見送っていると鬼の肩に中学生の肩がぶつかった。

「おいデクの棒痛えよ」
鬼は振り返り、「あまり生き急ぐなよ」と言った。

「お前誰に指図してんの?」

…なんなんだ…なんで今日はあんな感じなのがいっぱいあるんだ…。

「〔入れ替え戦〕楽しみっスね」
河村と桃城が亜久津にちかよりそう言った。

『鬼さーん、中学生いびりはダメなんだぞー!』
「アホか、いびってねぇよ!」

手を振ったら、三人とも振り返してくれた。

『さて…』

静は中学生のほうに振り向いた。

切原は手を膝につけ冷や汗を流していた。

「や 奴の目を見た途端……
…身体が……幸村部長に似た何かが……くそう何なんだアイツら……」

『あぁ、本当にゴメンな、大丈夫か…?あの人は1番コートの徳川カズヤさんだ』

「ねぇ、じゃあ静は何番コートなの?」
『リョーマか…さぁ…何番だと思う?』

挑戦的な笑みを浮かべ、『さぁ、中案内するから行こうか』と言い歩きだした。

木手がその背中をみてポツリと呟いた。


「このU-17合宿
思ったより化物がいるようですねぇ」
…と。

…えぇ、ここには化物がたくさんよ…さぁ…君たちはどこまで行くのかな…?
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