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□危険なチョコレート
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朝起きると、どこからともなく甘い香が漂ってきた。
何だろうかと思い、香のする方を見てみると
―大量のチョコレート―
一体何なんだろうか?
夜半は暫く思案する。
自分の誕生日は、数日先なので違うだろう。
「あの…兄上、これは一体…。」
考えても見当が付かないので、聞いてみることにした。
「あ、おはよう。夜半。チョコレートがどうかした?」
寝起きの夜半に微笑んでくれたが、肝心なことを教えてもらえなかった。
「おはようございます。兄上、この大量のチョコレートは一体何なんですか!?」
普段、チョコレートの1つや2つあったとしても、たいして気にも止めなかったが、これ程山のようにあったのでは気になって仕方がない。
「ああ、今日はバレンタインだからね。皆に配ろうと思ってね。」
バレンタイン?
バレンタインって確か聖バレンティヌスが処刑された日じゃあ…。
そんな日にチョコレート?
「なぜ、このような日にチョコレートを?」
「今では、好きな人や友人にチョコレートをプレゼントする習慣になってるんだ。」
そんなものだろうか?
そう言えば、2/14は…
「あ…。兄上、あのチョコレート少し分けてくれませんか?」
「いいけど、誰にあげるんだい?」
夜半が、こんな事に興味を持つのは珍しい。
誰にあげるのかも当然気になる。
「遊利に…。あと、舞矢にも…。」
「ああ、黒鳥院の2人にね。いいよ。」
その後、夜半は黒鳥院の屋敷へ向かった。