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□大晦日と除夜の鐘
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お寺に着いてみると、そこには行列が出来ていた。
「蛮ちゃん、あれ何だろう?」
待っている人からは、何番目かな?と言っているのが聞こえる。
「ん?ああ、除夜の鐘だな。ここの寺は参拝客に突かせてるんだな。」
「除夜の鐘って何?」
やっぱり知らなかったか。
ずっと無限城に居たのだから仕方がないか…。
「除夜の鐘は、人間の煩悩の数と同じ108回鐘を鳴らすんだ。」
煩悩の数だけ鐘を突き、煩悩を打ち消すという事だ。
「オレもやってみたい!」
銀次は、はしゃぎながら列の最後尾に並ぶ。
「…ん?あれって……。」
少し前に、見覚えのある後ろ姿を発見した。
「もしかして、カヅっちゃん?」
気になって話しかけてみると、やはり花月だった。
隣を見ると、十兵衛と俊樹も居た。
「銀次さん!?来てたんですね。」
「うん。蛮ちゃんと一緒にね。カヅっちゃん達は3人で初詣?」
まあ、こんな時間に寺に居るのだから、初詣なのであろう。
「はい。ここは仕事が無ければ毎年来てるんです。」
和やかに話していると、辺りから歓声があがった。