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□トリック・オア・トリート
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10月31日。
無限城にて――。
十兵衛が自室で俊樹と話していると、
「トリック・オア・トリート!」
と、耳慣れない言葉と共にドアが開かれた。
「花…月?」
そこに居たのは紛れもなく花月だったのだが、その出で立ちは黒い三角の帽子に黒いマントを着ていたのだった。
まるで魔女のように…。
「とり…何だ?その格好も…一体。」
十兵衛は突然の事で、何が起こったのか検討が付かないようで、必死に俊樹の方を伺っている。
俊樹は、十兵衛の視線を感じながら花月の近くまで行き、ポケットから何かを出した。