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□碧と皆の物語
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碧が『悪魔の子』だと言われる理由は、可愛がっていた動物が人に転生しているから…という訳ではない。
それというのも、その事実を知る者は極少数だからだ。
では、何故碧は悪魔の子と呼ばれるのか。
「それは、転生してる子達が皆野良って訳じゃないからだね。大半の子には飼い主が居て、僕が関わった家では不幸な事が起こってたから。」
そして、転生した子達は皆死んだ場所で甦る。
桂一は教会。鈴は自宅。翠は路地裏というように。
そして、飼い主が居た桂一と鈴の家族は不幸に見舞われていたのだった。
動物だった桂一の居た教会では、神父もシスターも火事で死んでいるし、鈴の家は一家が家の中で殺害されていた。
他の子の場合でも、失踪や事件等で飼い主が行方不明だったり死んでいる。
そして、転生後にも同じような事件が起こる。
故に碧に関わったら不幸になると噂されるようになったのだ。
碧自身、あまり気にしていないが、鈴のような一部の子達は碧が理不尽でならない。