今夜夢
□同じアホなら、
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「さむ!」
「んぎゃっ!つめた!!」
「っはは!色気ねぇーーの!」
「この殺人的な冷たさの前で色気なんか出していられるか!待ちなさい相葉!!」
「うげっ!つっめて!無防備な背中を狙うとは卑怯なり!」
「無防備なウナジを狙ったオヌシに言われる筋合いはない!」
そんないい歳こいた二人の大人のバカっぷるを前に、実に冷めた目をした七海がポツリ。
「社長。人生の何もかもがアホらしくなる瞬間に初めて遭遇しました」
「あっははははは!人生なんかねぇ、アホらしくてナンボよ。意味なんか求めちゃいけないの。いい人生を送りたかったら、目の前のバカっぷるをお手本にしなさい」
快活にそう言った人生の経験者は、目を細めてたのしげに笑う。
それに釣られるようにして再度、目の前でうふふアハハと戯れる二人を見やり、ふ、と柔らかく笑った。
「確かに。私、人生を数万倍無駄にしてたかも。同じアホなら踊らにゃ損損!」
そうして目の前の人生を謳歌しまくっている大人に混ざることにして走り出した。
2012,11,2
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今日、むっちゃくちゃ寒いッスよな。