krbs

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「・・・ここ、だよな?」

体育館にやって来た。

デジカメ片手に単身で。

なんでこの学校、体育館が何個もあんだよ!

バスケ部専用体育館て!

学校の地理もまだ理解してないのにわかるかぁ!

体育館の外から中を覗く。

・・・よかった、バスケしてた。

違ったらどうしようかと・・・

・・・え、どうしよう

このまま入っちゃっていい感じ?

部長からは、バスケ部の監督とキャプテンからは許可とってあるよ、

とは言われてるけど・・・

行っていいのやらダメなのか・・・

―――あ、黄瀬だ。

遠くから金髪がこっちにくるのがわかる。

・・・うん、黄色い声も聞こえるし。

って、ホントどうしよう。

今の私はただの変人だ。

この状況を打破せねばいかん。

「あれ?」

―――?

「佐風さんじゃないスか」

・・・っ黄瀬・・・!?

は、ちょ、なんで私の名前知ってんの!?

「こんなところで何してんスか?」

「いや、えと・・・」

これはチャンスだ。

「写真部の活動で来たんだけど・・・」

「写真部の人って佐風さんのことだったんスか。

 ・・・どうしたんス、入らないんスか?」

「あ・・・う、うん」

これだから初めてって嫌いなんだよ。

体育館の中に入って、黄瀬に監督を教えてもらう。

「なんだ、今年もか。
 練習の邪魔にならねえよう頼むぞ」

リョーカイっすー。

体育館の恥に移動して、カメラの電源を入れる。

手始めに誰から撮ろうかしら。

やっぱキャプ・・・って、まだ私会ったことねーや。

「誰撮んの?」

―――ん?

誰か来たと思えば、黄瀬がいた。

おい、練習しろ。

「特には決めてない・・・です」

「ちょ、なんでそんな他人行儀?」

なんでって・・・そりゃ

「知らない人に失礼なことは出来ないですケド・・・」

金髪は印象に残りやすいだけ、これはちょっと無理があるかな・・・

けれど目の前の黄瀬は固まって、体育館中が爆笑に包まれた。


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