hrk3

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「・・・とまあ、いつも通りの落下だわなぁ」


扉から落とされて、気付けば上空。

この登場にも飽きが出てきたのか、真奈美ちゃんはあくびをする。

のんきだなぁ。

まあ私も、さすがに飽きてるけどね。


「いまさらだけどさ、空から登場する意味ってあるの?」

「ないだろ。ほら、・・・王道だからさ」

「あぁ・・・」


二人で遠い目をする。


「普通でいーと思う」

「同意」


とは言え、この落ちる感覚というか、高いのには慣れないわけで

いやむしろこーいうのは慣れたらダメだと思うよ!!


「―――あ? 川じゃん」

「川?」


うん、と真奈美ちゃんは頷いて、下を指差す


「ほら」

「うん、そうだね」

「・・・まあわかってたけどさ」


下を見ないで、まっすぐ真奈美ちゃんを見る。

真奈美ちゃんは溜め息混じりに話す。


「川、・・・と他に何かある?」

「んーと、オレらの真下に森があって、んでそっからあっちに川がある。
建物とか全然だなー」


真奈美ちゃんは奥の方を指差す。

建物がないってなると・・・


「でも、あそこじゃないよね」

「さすがにな」


某戦国時代を思い浮かべた。

じゃないとなると・・・


「着地すんぞ」


真奈美ちゃんがそう言うと同時に、体が浮いたという感覚になった。

そしてそのまま着地して、辺りをぐるりと見渡す。

ホントに森だねぇ。


「とりあえず川行く?」

「んー・・・そこしか行くとこないしな」


頭に手を当てて真奈美ちゃんは上の方を見る。

すると、頭で回線が繋がった感じがした。


[川辺りから複数の人の声がします]


人?

八卦からの水津の声に反応する。


「真奈美ちゃん」 「憂夜ちゃん」


見事に被った。


「そっちからどーぞ」

「えっと、水津が向こうから人の声がするって」

「炎舞が人の臭いするってさ」


真奈美ちゃんはたるそうに話す。


「じゃあ行く?」

「だな」























水津・炎舞曰く、人がいるらしい川に着く。

・・・えーと、


「どーいう状況?」

「まさしくカオスと言える状況」


森を出れば、女の子二人に子供一人、そしてそれを取り囲む落ち武者数体。

どーいうことなの・・・!?


[憂夜、あいつらから変な気を感じる]


―――うん、大丈夫。見ればわかるよ。

大地の声に返事をする。


[そういうことじゃないと思いますよ]


―――じゃあ何?


[・・・大地]

[悪魔や妖怪と似たような気がする]


"似たような"?


ピンクの髪をした女の子がこっちを見る。


「・・・えっ!?どうして人が・・・!?」


いたらダメなの・・・!?


「驚かれちゃったな」

「私たち登場する場所間違えた?」

「なんだ、今回は主要キャラ側になれないのか」

「敵役でもそれなりならいいけどね」


敵役でも雑魚レベルの人と一緒に行動はやだなあ。


「・・・っ朔、封印しよう!白龍も手伝って!!」

「なんで私の名前を・・・それに封印って・・・
―――もしかしてあなた・・・そうね、わかったわ!」

「神子!」


そして出来上がる3人VS落ち武者の図

銀髪の子・・・


「今、」

「ああ、言ったな」


―――巫女


「あの子がこの世界の巫女なのかな」

「そーなるんじゃね?そう呼ばれてたし」

「じゃあ課題終了?」

「おしっ帰ろーぜ」


史上最速の帰宅。

各世界の巫女と会ったら、自分たちの世界に戻れることになる。

それまでは帰れないし、会っても神の許しがなきゃ帰れないという意味のない課題。


「「かのものを封ぜよ」」


女の子二人の声が重なり、落ち武者が光となって散っていった。


「かっこいいな・・・」

「思えば私たちあーいうのないもんね」

「息の合わないことなんのこと」


まずお互いの能力の相性もあるしね・・・

苦笑いをしてしまう。


「この世界の巫女はこんな能力(ちから)があんだな」

「私たちも似たような能力あるじゃん」

「あーまあな」


落ち武者を倒した三人が、私たちのもとに駆け寄ってくる。


「あの、大丈夫でしたか・・・!?」

「うん。平気だよ」


ピンクの髪の子を、真奈美ちゃんが相手をする。


「えっと・・・どうしてこんなところに・・・?」


「どうしてって・・・」


ショートカットの子の質問に答えるために、一旦真奈美ちゃんに目配せをする。

トリップしてきたことを言うか言わないか。

色々と大変だからね〜こーいうとこも。


「私たちは・・・―――」


「二人は巫女だね」


―――え?

銀髪の子供に目を向ける。


「これで、龍神の神子と陽月の巫女が揃った」


銀髪の子は微笑んだ。



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