短編
□あいしーるど
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「───女は何をされるのが好きなんだ?」
口に含んでいた飲み物を噴き出しそうになった。
なんとかこらえた自分を誰か褒めて。
「・・・し、進さん、突然どうしたんですか…?」
今口ひきつってると思う。
「疑問に思ったからだ」
何がどーなって疑問に思ったんですか。
真剣な顔して聞きやがって。
・・・だが、聞かれたからには答えねば。
女の人が好きこと……
───あれ、わかんね
うん、まず私に聞くことが間違ってる気がする。
普通の女の子とは程遠い私に聞くなんて。
若菜ちゃんとかに聞けばいいのに…
「で、どうなんだ」
「うーん…人によるんじゃないんですかね」
「…そうか」
「そうです」
まあ私の回答は間違ってはないしなあ。
「ならば、お前はどうだ」
なーんでーやねーん
何で私の好み聞くんすか。
私の聞いても為にならんと思いますけど
大体、ほんとにこの人何でこんなこと聞くん?
「…私は…特に…」
ズズッと飲み物を飲む。
私は基本、相手に合わせることが多いから、
特に何か、ということはない。
したいことがあってもその時々に変わるし…
「…あ、他の人の話も参考にしてみりゃいーんじゃないっすか?
若菜ちゃんとか桜庭さんとか」
「…そうか」
───ん?何で…そんなムスッとしたお顔を?
進さんの表情に疑問を持ちつつ、飲み物が入ったグラスを空にした
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