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□聞き飽きた失恋バラード
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そろそろ、俺のモノになれよ。

















kitayama side






ちゅ、と優しく唇をあわせる。

するとお構いなしに叩かれた顔。




「・・・最低」



何回目だったかな。

彼、・・・藤ヶ谷太輔に振られたのは。




「叩くのは酷えよな」


「北山以外なら叩かない」



藤ヶ谷はどうも俺を毛嫌いしているらしい。

俺はこんなにも好きなのになあ。



"昔はみっくんみっくん煩かったのに"。


そう言うと一瞬目を見開いて"あれは、昔のことで・・・"と口ごもる。




「・・・"みっくん大好き"って、言ってたのにな」



そう続けると真っ赤になって顔を反らす。

ああ、本当に素直。


クールぶって大人ぶって。


なのに俺にだけはそういう反応をしてくれるところが、愛おしくて堪らない。



そんなところに、惚れたんだけれども。




「北山の、そういうところが嫌い」



嫌い、嫌い。

そう言いながらも恋してるような表情してんの、知ってるんだよ?



最初、普通に告白したら振られて。

「お前のこと、嫌いだから」。


まあ酷いよな。

好きだって言ってるのに嫌いって。



それから何回告白しようが、"嫌い"の一点張り。



無理矢理抱き締めてみたり、キスしてみたり。

行動に出てみると、次は"最低"。





「もう近寄らないでよ」



あれ、そこまで言ったかあ。

そんな呑気に考える。




「無理。」


「っはあ?」



無理、って言えばなんでだよ、と続ける。



幾ら俺だって、望みのない恋はしないよ。

でも、この恋は。





「だってお前、俺のこと好きだろ?」




叶うって意味の無い確信があるんだ。













((失恋バラードには飽きたよ、))










で、二人はこのままくっつきます←

藤ヶ谷くんのはいわゆる行き過ぎたツンデレなるものと、
認めたくなかった心があってこんな感じになってるんだ、きっと。((爆


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