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□望んだら消えてしまうから
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ただ傍にいられるだけでいいのです。

だから隣にいることだけは、許して。






望んだら消えてしまうから







arioka side





恋をしました。


けれどそれは、叶ってはいけない恋でした。





「慧様、起きてください」



・・・朝。

毎日のように、お坊ちゃまを起こしに行く。




「・・・あー、うん。おはよ・・・」



どきっ。


朝は苦手だけど、朝一で好きなひとの笑顔を見れるのは、やっぱり嬉しい。



慧様は立派な血統の貴族のご子息で、かなりの血筋が続く家。


俺の家では、昔から伊野尾家に仕えてきた。



俺は慧様より年下だけど、学生の頃から住み込みで働いている。

それに、父さんもこの家で働いていたから、住み込むより前から会ったりはしていた。



恋愛感情に変わるのは、ある意味必然だったかもしれない。





「じゃ、大貴、行ってくるよ」


「あ、はいっ」



慧様は大学に通われていて。

頭がよくて凄いな、なんてちょっと他人事みたいに思ったりする。



俺は慧様が見えなくなるのを確認して、ふうっとため息を吐いた。


駄目だ。

これ以上好きになってはいけない。



慧様は伝統が続く貴族のお坊ちゃまで跡取りと言うこともあり、婚約者はいる。

それにかなり親しいようだし、・・・俺が入る隙なんてない。



まず、仕えている家のお坊ちゃまと恋に落ちたりなんかしたら、家にも迷惑を掛けてしまう。


俺一人のせいで迷惑を掛けるわけにはいかないから。

この恋は、叶っては駄目なんだ。




・・・俺はただ、あのひとの傍にいれれば、それでいい。


伝えてしまったら、きっと何か大切なものを失ってしまうから。





でも、貴方の傍にいれるなら、それ以外何も望みません。














(俺はそれをいいわけにしてまた逃げる)(弱くてごめんなさい、)














えーっと、アンケートで"身分違いとかが読みたいです(*^^*)CPはいのありでお願いします♪"と書いてくれた方がいたので、書きました!

明治パロシリーズで有岡くんがお坊ちゃまなんでここは伊野ちゃんお坊ちゃまに。


時代は大正くらいを想像しながら書きました!

袴ですね(^q^)←


続きは、リクエストがあったら書きます。
ハッピーエンドにもします←

良かったら感想残していって下さい!


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