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□鳴かぬなら鳴かせてみよう、愛し君
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好きだって言えよ。






鳴かぬなら鳴かせてみよう、し君






kitayama side





「先輩・・・なんなんですか」


「別に、なんでも」


「じゃあなんで、」




"俺を押し倒してるんですかー・・・"。






俺の一つ下の後輩、藤ヶ谷太輔。


俺と同い年の横尾さんと仲が良くて、俺とも普通に仲良かった。



何にでも一生懸命な藤ヶ谷に、俺は惚れた。



でも、まあ、なんとなく告白は出来ずに。

それでも良い印象のままでいたけれども。




今、それをぶち壊すようなことをしている。


現在進行形で、・・・藤ヶ谷を押し倒しています。





横尾さんと仲が良い藤ヶ谷に嫉妬して。

何だかイライラして、横尾さんに藤ヶ谷を取られてしまうような気がして。



押し倒すつもりはなかったけど・・・

勢いで。


この後のことは、ー考えてない。





「先輩、ちょっとっ」



そういいながら必死に抵抗する藤ヶ谷。

そんなに抵抗するほど、嫌いか。


ー横尾さんだったらきっと、笑いながら許してるんだろうな。

そう思うと余計にイライラして。





「お前、・・・俺のこと、嫌い?」



嫌いじゃなくて、ただ嫌なだけなんだろうけど。

そう解っていても聞いてしまう。


返って来たのは・・・予想外の答え。





「その、違っ、・・・恥ずかしくて」



そういいながら顔を手で隠す。

隙間から見えた頬は、赤い。




「・・・そこまで、真っ赤になる?」



思わず口から出た一言に、藤ヶ谷は更に赤くなって黙り込む。

あれ、これってもしかして。





「お前・・・俺のこと、」



俺は、そこで言うのを止めた。


そして口元を微かに上げて、こう言った。





「そっか、そこまで嫌いか」


「っそうじゃなくてっ」



嫌いか、そう問うたらすぐに違うと否定する。

ああ、どうしよう。


嫉妬なんてして、勢いで押し倒したけど。


君が俺の欲しかった答えを持ってるだなんて、嬉しすぎる。




"じゃあ、なに?"


俺は嫉妬してたことなんて忘れて、そう言いながら意地悪そうに笑った。


勿論、その答えは。




「ー先輩が、好きですっ」














(うん、)(・・・俺も、好き)















これはですね、リクエストで頂いた北藤でみっくんの嫉妬ってやつと、アンケートにあった学パロを混ぜてみました←

内容は甘希望ということでしたが、甘くなってますでしょうか?


期待に添えていたら幸いです!


珠奈様、リクエストありがとうございました(^o^)/


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